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世界の果ての魔女学校を読んだ感想!人間の深い心の闇が描かれた物語

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「世界の果ての魔女学校」はただの児童文学ではなかった

石崎洋司(著)平澤朋子(著)

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
なにもかもうまくいかず、家出したアンがたどりついたのは、世界の果てにあるという、古い魔女学校。魔女学校に迷いこんだ少女4人の物語。

この本は世界の果てにあるといわれる魔女学校の少女たちのお話です。タイトルを見ると魔女学校でほうきに乗る練習をしたり、大釜でグツグツと薬を使ったりといった普通ではありえない勉強や生活が面白おかしく書いてあるんだろうかと思いますが、そんなことはありません。

これは児童文学のジャンルでありながら、人の心の闇がゾッとするほどさらりと書かれています。そしてそれが少女たちの話だから尚更です。

主人公であるこの本にでてくる少女たちは、皆、元は普通の女の子でした。しかし、大人や同じ立場の子供達から少しはみ出てしまったことで、魔女学校の先生方(もちろん魔女)に目をつけられてしまいます。

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個性豊かな登場人物たち

何をやっても不器用で両親にも友達にも愛想をつかされていたアンは言葉の力をもっていました。

ジゼルは祖母の死をきっかけに、魔女にほのめかされ過去を見る力を手に入れてしまい、ついには自分の恋人の過去を見て苦しむことになります。

教室の隅で本を静かに読んでいる少女アリーシアは、憧れの人にだまされて魔女裁判にかけられたかわいそうな女の子です。

手先が器用なシボーンは他の子達に妬まれ、村のみんなに騙されて森の精のいけにえとして森に置き去りにされました。彼女たちは皆悲しい過去を背負っています。

望んで魔女学校に来る少女もいれば、連れ去られた少女や、力を与えられて魔女になるしかなくなってしまった少女たち。この少女たちにはどんな未来が待っているのでしょうか。

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世界の果ての魔女学校の面白い所

この本の面白いところは、あえて多くが語られていないことです。特に学校内のことについてはほとんど書かれていません。

というのも焦点が当てられているのは、彼女たちの今までの人生や葛藤だからです。さらに彼女たちは読者にすら魔女学校に通っていたことをなかなか悟らせません。

本のタイトルには確かに魔女学校と書かれているのに、本書にいるのは本当にどこにでもいる少女のようです。この描写も読者をゾクっとさせるポイントなのかもしれません。

魔女や魔法使いというのは現代ではそこまで恐ろしく書いてあるものはそんなに多くありませんし、むしろファンタジックで楽しいものが多く見られます。

しかしこの本では魔女は人の心の闇につけ込み、普通の少女たちを人間を呪う魔女へと変えてしまうのです。

私たちの身近なところにも魔女は潜んでいるかもしれません。もしかしたら、私も…。そんな風にゾクゾクさせる作品でした。

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