森鴎外の舞姫を読んだ感想!エリートと美しい踊り子の愛を描いた実話?


「舞姫・うたかたの記」を読んだ感想物悲しくも赤裸々な青春を描いた、森鴎外の代表作

 

森鴎外の代表作として有名な「舞姫」。実際に読んだことはなくとも、国語の時間に名前だけは聞いたことのある人も多いと思います。

 

簡単なあらすじとしては、明治時代、日本から官僚や政治家の候補として政治や法律について学ぶためにドイツに留学に来た主人公太田豊太郎が、政治ではない学問に興味を持ったり、

 

現地で踊り子として働いている女性(当時踊り子は今で言う水商売のような扱いでした)、エリスと恋に落ち、政治を学んで日本に帰らねばならないはずの身で、現地に留まろうと決心したりします。

 

友人の相澤は、そんな様子でいたために国から援助を切られて留学を続けられなくなった豊太郎に「エリスを捨てろ、まだ間に合う」といったようなアドバイスをしたり、日本に帰らせたりしようとします。

 

ドイツと日本の間で豊太郎の気持ちも揺れ動き、また様々なことが起こりより苦悩を抱える…といったお話です。

 

結末について言及することは控えますが、結構悲しい終わり方をするので、ハッピーエンドを求めている方にはあまりおすすめしません。

 

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文体はかためでも、内容がやさしく読みやすい

 

所謂「近代文学」「純文学」「名作」と呼ばれる作品のうちの1つで、確かに文体はかたく漢文調なのですが、単語に外来語が多いためか、昔の文章にありがちな難しい単語や熟語が少なく、さらに漢文調なのでリズムが良く、すらすらと読めてしまいます。

 

また、ストーリーが分かりやすいので、分からないところは飛ばし飛ばし読んでも十分に楽しめると思います。

 

さらに、読み進めていくうちに、「ドイツに残りたい、愛するエリスと共にドイツで暮らしていきたい」という気持ちと、

 

「日本に帰りたい、親に会いたい、学力的には自分は日本でトップクラスの役職につけるのに」といった2つの気持ちの狭間で揺れ動く主人公山田豊太郎の苦悩の日々に、ハラハラドキドキします。

 

文体がかたいことや、多少読みずらい古文のような表現があっても気にならなくなります。それよりも続きの方が気になってしまいページをめくる手が止まらず、気がついたら読み終わっている、そんな感じです。

 

現代語に訳したものもあります。

太田豊太郎とエリスの切ない恋に注目

太田豊太郎とエリスの出会いのシーンは、雪の中泣いているエリスを豊太郎が助けるシーンから始まります。

 

国も身分も背負っているものも違う2人が出会うシーンは、太田豊太郎が回想として語っているだけでもとてもロマンチックです。

 

さらにその後の2人の関係もお互いに深く愛し合っていることがわかり、こんな恋がしてみたいと思うほど。

 

しかし「太田豊太郎は踊り子をたぶらかしている」と彼を快く思っていなかった友人達に吹き込まれたために国から援助を切られてしまったところから太田豊太郎の歯車が狂い始めます。

 

元々親の期待を背負って政治を学びに来たような部分もあったので、最初は「これでやりたい勉強に専念できる」と喜ぶ豊太郎ですが、周囲の友人の反対や金銭的な苦悩、さらに自分の本来の能力であればこのような思いはしていないという気持ち、

 

そして日本に帰りたいという気持ちなどによって、豊太郎とエリスの2人の関係が変化していきます。

 

綺麗なお話ではなくどちらかというと豊太郎の人間らしい気持ちの面が、回想なので淡々とではありますが大胆に描写されていて愛を誓ったり、欲望にさいなまれたりなど、主人公の様々な表情を見ることができます。

 

また、主人公以外の登場人物が実際に何をどう思っていたのかといった部分は描かれていないので、読み終わった後に何度でも読んで様々な解釈ができます。

 

太田豊太郎はエリスへの愛を貫くことができるのか。はたまたエリスを置いて日本に帰ってしまうのか。ハラハラしながら読める一冊です。

 

太田豊太郎のモデルは鴎外自身でエリスのモデルも諸説ありますが実在の人物が存在します。ただ登場人物のモデルはいるが実話ではなくあくまで小説ということです。

 

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